構造

関東地方の地盤を調べる 極小微動アレイ観測による地盤構造の推定

共同研究者:
犬伏徹志、落合努
Q.どのような研究をしているのでしょうか?
関東地方には「関東平野」という日本最大の平野があり、特に南部には軟弱な「低地」が広がり、1923年(大正12年)関東大震災が起きて歴史的な大災害となりました。関東地方の直下にはいまでも大きな地震を引き起こすメカニズムがあり、将来大きな地震が起きて大きな被害が発生することが心配されています。そのため、国立研究開発法人防災科学技術研究所を中心として防災・減災に関わる調査研究プロジェクトが進められています。地震による被害は、「津波」は別として、主に地下の地盤構造に依存し、特に「軟弱地盤」と言われる“柔らかい地盤”の地域に集中して発生します。そのため本研究では「極小微動アレイ観測による地盤構造の推定」として関東地方を中心として多くの都県市で観測を実施し、デ-タ解析により「軟弱地盤の地域」を特定しています。
対象地域は、神奈川県、東京都、埼玉県、千葉県、福島県などです。他にも、同様の調査・研究は全国で行われていて、多くの大学や研究機関が共同して進めています。
Q.その研究は、未来にどうつながるのですか?
将来発生が心配されている大地震時の被害軽減を目的として、「常時微動」の観測を行っています。「常時微動」は、常に揺れている小さな振動で、特殊な計測機器を用いて観測できます。観測は簡単で短時間で行うことができるので多くの場所で観測することが可能となり、詳しい地盤構造の推定ができます。この研究によって、将来大きな被害が想定される地域を特定できます。建物の耐震・耐火構造の補強などの防災対策や、住民が連携した地域の防災・減災まちづくりの推進で地震災害を未然に防ぐことに貢献できると考えています。地震の多い国は日本だけではありません。世界中の地震災害の危険性が高い国々においても利用できる技術です。

お話を伺ったのは…

荏本孝久 教授

構造コース 
災害リスクマネジメント研究室