神奈川大学 建築学部

Introducing the graduates 卒業生紹介

各分野で活躍する
卒業生を紹介します。

※在学中に所属していたコースとは異なる場合があります

graduate 01

熊倉 達季

横浜市役所

島﨑 和司研究室
2018年度卒業/新潟県立新発田南高等学校出身

申請された建築物が建築基準法に適合しているか、計算書の入力に間違いがないかなどの審査や検査を行っている。一級建築士の資格取得が今後の目標。

Q.現在の仕事の内容を教えてください
特定行政庁で建築確認審査、検査の構造に関する業務を行っています。建築確認審査では建築確認申請を受けた建築物の図書について建築基準法に適合しているか、計算書の入力に間違いがないかなどを審査します。検査については建築基準法第7条の3に該当する検査を行い、建築物が建築基準法に適法な状態で建築されているかの検査を行います。
Q.学生時代の経験・学びで今の仕事に生きていることは何ですか?
建築構造に関する授業が最も役に立っています。建築構造に関する業務を行なっているため、許容応力度計算、部材の材料強度、名称など基本となる知識があることが業務知識習得の土台となっていると感じています。
Q.今後の目標を教えてください
職種上、幅広い建築知識が問われる仕事であるため、一級建築士の資格取得が今後の目標です。
Q.高校生へのメッセージ
建築知識が必要な仕事は、皆さんが考えているより幅広く、奥が深いです。将来どのような仕事に就くか決まっていなくても、大学で学んだ知識はいろいろな形で役に立つと思います。建築は人が生活する上で欠かせないものです。神奈川大学で建築を学んでよりよい社会を創っていきましょう!

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graduate 02

小串 聖子

東急建設株式会社

趙 衍剛研究室
2009年度卒業/神奈川県立横浜翠嵐高等学校出身

建設工事を進めるため、諸官庁提出書類を作成し、施主、設計、協力会社と調整を行う施工管理部門で、これまで10もの現場に携わる。渋谷駅再開発事業の担当も。

Q.現在の仕事の内容を教えてください
1年目から現場に配属され、建築現場の施工管理をしています。施工管理とは、安全・品質・工程を全て守り、滞りなく工事を進めるために、諸官庁提出書類を作成したり、施主、設計、協力会社と調整を行ったりする仕事です。これまでに携わった現場は、マンション建築が7現場、商業施設が3現場です。6年目の夏から、渋谷駅再開発事業の現場で商業ビル、ホールなどの地上施設と地下の鉄道を結ぶ「アーバン・コア」の施工を担当しました。現在は、10番目の現場で毎日楽しく仕事をしています。
Q.学生時代の経験・学びで今の仕事に生きていることは何ですか?
役に立っている授業は「設計製図」です。スケッチや図面、写真などを使い、自分の考えを表現する基礎を学ぶ事が出来ました。仕事では、常に相手へ、考えや案を分かりやすく伝える事が大切になるため、どの分野に進んでも役に立つと思います。一番印象に残っている経験は、4年次の卒業研究です。テーマは「CFT構造」についてでしたが、1年間実験棟で教授や仲間と共に計画から実行、論文作成まで出来た事は、とても力になりました。
Q.今後の目標を教えてください
皆さまに喜んでいただける歴史に残る建造物の建設に、これからも携わっていきたいです。
Q.高校生へのメッセージ
神奈川大学は総合大学であり、多くの学部、学科があります。興味のある講義は学部、学科を超えて受講することが出来ます。私はバドミントンサークルに所属していたのですが、他学部の友人とダブルスを組み、大会で優勝したことがあります。また今の職業を選んだきっかけは、大学3年次に友人と会社説明会めぐりをした事です。大学は学業はもちろん、いろいろな友人と出会える場所です。ぜひ「神奈川大学」で有意義な4年間を過ごしてください。

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graduate 01

門田 大

清水建設株式会社

安田 洋介研究室
2013年度大学院修了/私立藤嶺学園藤沢高等学校出身

建設現場における設備工事(衛生・空気調和・電気など)の施工管理を行う。品質の高い建物を施主に引き渡すためにどのような方法・手順が良いのかを常に考えている。

Q.現在の仕事の内容を教えてください
建設現場における設備工事(衛生・空気調和・電気など)の施工管理を行っています。設計図には、建物の完成した姿は描かれていますが、どのように施工するかについては描かれていません。施工者は、限られたコスト・工程で品質・安全を保ちつつ、環境に配慮して施工を行うためにどんな方法・手順が良いのかを考えなくてはなりません。時には施主や設計者に設計仕様の変更・改善の提案も行います。このようにして最終決定した仕様を基に、現場でその通りに施工されているか管理し、品質の高い建物を施主に引き渡すことが私の仕事です。最近担当した現場では、隈研吾建築都市設計事務所がデザイン監修を行っていましたが、デザインイメージ図を基に、何度も打合せを重ね、徐々に仕様を決定して、完成に至るまで本当に様々なアイディアが飛び交いました。このような作り込みこそが施工管理の醍醐味だと思っています。
Q.学生時代の経験・学びで今の仕事に生きていることは何ですか?
建設業は、扱う範囲が本当に幅広い上に、施主の業種も千差万別です。学生時代の経験のほとんどが役に立っていると言っても過言ではありません。その中でも特別なものとしては、ある建物に対して自身で実際に設備設計を行い、施工図(実際に施工する際の基になる物の納まりも踏まえた図面)まで作成するという授業が挙げられます。さらには、エアコンの室内機と室外機を冷媒管でつなぎ冷媒ガスを送り込み、エアコンの試運転まで行うという授業もありました。これらは座学の講義や問題演習と違い、本当に実務に直結するものでした(と後から実感しました)。先生方によると、設備設計をここまでやるのは神奈川大学独自とのことでした。非常にためになりました。
Q.今後の目標を教えてください
さしあたっての目標としては、海外勤務を経験し、人間力をあげたいと思っています。様々な視点からものごとをとらえる力や、困難に直面したときの忍耐強さ、言語の壁がある中でも人にものを伝える力、このような力の底上げを図りたいです。技術力・知識はもちろん必要ですが、結局最前線で建物を作るのは“人”ですから、“人と人のつながり”が最も重要です。そしてゆくゆくは、大勢の人に影響を与える建物の建設に携わりたいと思っています。
Q.高校生へのメッセージ
神奈川大学には、実務に近い独自の授業や充実した実験施設、大きな図書館があります。また熱心に教えてくださる先生方もいらっしゃいます。大学生活で自身が成長する環境はそろっています。あとは自分次第です!頑張ってください!

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graduate 02

宇田 万里子

西松建設株式会社

岩本 靜男研究室
2017年度卒業/私立朋優学院高等学校出身

電気設備業者からの見積書を精査し、電気設備費用を算出する積算業務に携わる。現場を学び、施工しやすい設計を考えられる設計者になることが目標。

Q.現在の仕事の内容を教えてください
設備の電気積算をしています。営業が入手した案件に対して、電気設備業者からの見積書を精査し、電気設備費用を算出することが主な仕事内容になります。
時には、施工中の現場にパトロールや検査をしに行くこともあり、監理として担当現場の施工計画書や施工要領書といった、施工に必要な書類の確認をすることもあります。
Q.学生時代の経験・学びで今の仕事に生きていることは何ですか?
「給排水衛生設備」や「空調設備」、「建築環境工学及び演習」、「環境システム計画演習」といった科目を通して、機械図面の見方が分かるようになりました。
Q.今後の目標を教えてください
今は積算をしていますが、ゆくゆくは現場の人が施工しやすい設計を考えられる設計者になるべく、現場を学んでいきたいと考えています。
Q.高校生へのメッセージ
大学では、勉強することも大事ですが、人との繋がりも大切にしてほしいと思います。神奈川大学は学生数が多いため、意気投合できる人と出会える可能性は大いにあると思います。大学を卒業して社会人になっても、支え合っていけるような人たちにぜひ出会ってください。

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graduate 01

今関 綾乃

公益財団法人日光社寺文化財保存会

内田 青蔵研究室
2011年度大学院修了/私立山梨英和高等学校出身

日光二社一寺(東照宮、二荒山神社、輪王寺)の国宝や重要文化財建造物の保存修理技術者を10年務める。大学時代は建築史を専門に学ぶ。

Q.現在の仕事の内容を教えてください
日光二社一寺(東照宮、二荒山神社、輪王寺)が所有する国宝及び重要文化財建造物の保存修理を行っています。日光にはこのような建造物が100棟ほどあり、江戸時代に社殿が建立されてから定期的に修理が行われ、これが現在まで続いています。私は修理技術者として、建物を調査してどのような規格で建てられたのかなどを精査し、図面におこす仕事を主にしています。建物を解体して(ほどいて)修理工事を行う場合は、部材一つ一つを実測し、どのように納まっていたのかを記録していきます。また、建物に残る痕跡から、現在とは異なった姿(かたち)や色であったことが判明することもあり、それに伴って古文書(文献)の調査を行うこともあります。
Q.学生時代の経験・学びで今の仕事に生きていることは何ですか?
仕事では主にCADで図面を描きますが、文化財建造物の修理の際には「保存図」といって手描きでも図面を描きます。また、建物を調査する際にも方眼紙にその場で図面を描くので、製図の授業や研究室での建物調査の活動に参加し手描きで図面を描く機会があってよかったと思います。
Q.今後の目標を教えてください
修理技術者として少しでも長く働きたいと思っています。今はまだ補佐としての仕事しかしていませんが、これまで10年近く仕事をしてきて、初めのころよりも今の方が建物の理解ができて楽しいので、より長く働きたいと考えています。
Q.高校生へのメッセージ
私が高校生のときは、どうして古典や歴史、化学や数学を学ばなければならないのか、これが将来役に立つのか、勉強しながらもやもやしていました。でも、そんな風に思いながらも学んでおいて良かったと今では思います。現在のような仕事に就くとは考えてもいませんでしたが、高校生のころまでに学んだこと全てが役に立っているなと感じています。仕事をする上で、色々な基礎知識があったほうが多方面に考えが及びますし、より深く理解することができる気がします。

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graduate 02

小林 優

mok architects・Johannes Torpe Studios Denmark Aps

中井 邦夫研究室
2015年度大学院修了/私立北陸高等学校出身

コペンハーゲンを拠点に、ヨーロッパから世界各国まで、建築・内装のプロジェクトを担当。大学院時代にデンマークへの派遣交換留学を経験。

Q.現在の仕事の内容を教えてください
コペンハーゲンを拠点としてヨーロッパを中心に、世界各国で建築・内装のプロジェクトを担当しています。それぞれの土地がもつ文化および歴史を読み取り、クライアントが伝えたいメッセージや訪れる人々の求めることなど、多岐にわたる複雑な要素をまとめあげ、形にする仕事です。暮らしと街との関わりなど大きなスケールの空間デザインから、家具・照明・日用品・手が触れる小さなものなどのデザイン、暮らしに関わるものを様々な解像度を持ってプロジェクトに取り組んでいます。
Q.学生時代の経験・学びで今の仕事に生きていることは何ですか?
設計課題や論文制作を通して学んだのは、面白いと思ったことも「なんとなくいい感じだから」という抽象的な理由で終わらせないこと。自分が見つけた新しい視点を研究・分析することでその面白さを構成している仕組みを紐解き、それを自分の建築を語る言葉に翻訳していくプロセスを身につけました。建築の仕事は、クライアント・職人・デザインチームなど、様々な分野の専門家たちと常に交渉しながら進行していきます。それぞれの人にわかりやすくアイディアを伝える上で大学時代に学んだこのプロセスはとても役立っています。
授業とは別ですが、長期間自由な時間をとれるのは大学時代の今しかないと思い、できる限り海外にいって街や建築などを見てまわりました。見たこともない風景や雰囲気の中に建つ建築を見て、いろいろな国で仕事をすることは面白そうだなとその時に漠然と思ったことを覚えています。
Q.今後の目標を教えてください
人が体験する建築空間から、手で触れる小さなものまでトータルにデザインすることを今後も継続していきたいです。もっと言えば、解像度をさらにあげて新素材の開発をしたり、今ある素材の固定概念を外し、新しい利用方法を模索して暮らしに新しい発見と豊かさを提示するなどもしていきたいです。
Q.高校生へのメッセージ
大きな研究室があることは神奈川大学の大変良いところです。学部生から大学院生まで幅広い学年の学生が活動する研究室は、一年生から使用することができる環境と雰囲気があります。気軽にずっといていい場所や自由に使える設備があることは幸せなことです。インターネットには載っていないような古い貴重な本や建築本だけでなく、アート・哲学・写真集・グラフィックなどの本が読みつくせないぐらいあるのも贅沢なことです。さらに何十年も前の学生の作品や研究室の活動がアーカイブとして保管されていて、それらを見返すだけでもとても面白いです。

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graduate 01

渡邊 謙一郎

株式会社スタンダードトレード

西 和夫研究室
1995年度卒業/私立桐光学園高等学校出身

個人住宅や店舗・オフィスなどの家具を含めた空間デザインから設計施工まで行う。また、フランク・ロイド・ライト設計の自由学園明日館の家具の修復なども手がける。

Q.現在の仕事の内容を教えてください
家具を含めた空間をデザインから設計施工まで一貫して行い、一般個人住宅や店舗・オフィスなどを手掛けています。特に家具製作においては、横浜にある自社工場で伝統的な差物技法を用いて製作をしていますので、その技術力を評価され、歴史的建築物の家具修復や復元を任されることもあります。具体的にはフランク・ロイド・ライト設計の自由学園明日館の家具や小泉八雲の机など、幅広く修理修復に関わっています。また、近年では中国上海の仕事も受け、さらに活躍の場は広がっています。大学卒業後、特注家具職人としてキャリアをスタートさせた事もあり、技術的背景からくるデザインを得意とし、創業以来、多数メディアでも評価されています。
Q.学生時代の経験・学びで今の仕事に生きていることは何ですか?
あまり勉強をしなかった学生だったこともあり、建築への興味が薄れ、授業の好き嫌いが顔や態度に出てしまっていました。その時は先生や友人に大変な迷惑をおかけしていたのですが、実は今それが役に立っているのです。僕の仕事は自分が好きなものや得意なものを発揮していく仕事です。つまり、僕自身が楽しんでいるかが大きく結果を左右してしまう仕事です。納得できないものには悩む顔、ピンとくれば晴れた顔。そのことが僕の個性となり正直さを生んでいます。ぜひ、感情を表に出し学生時代を過ごして、社会に出ていく時も顔に出てしまう人になってほしいと思います。
Q.今後の目標を教えてください
これといった具体的な目標はありませんが、強いていうなら「今が続けば」といつも思っています。半信半疑の評判で依頼されてくる方に対して、どうにか結果を出そうとお客様や自分に集中しています。いつまでもどんな仕事でも自分が没頭し続けたい、ということが目標なのかもしれません。
Q.高校生へのメッセージ
学生でも社会人でも、目標ややりたいことをスタート前から見つけられる人は一握りだと思います。とはいえ、自分や場所探しの時間を続けていてもキリがありません。どうすればいいかがわからない、どこにいったらいいかわからない。大丈夫です。わからないことこそ、未来です。未来のことは誰にもわかりません。どのような学校でもどのような会社でも、スタートを迎えたら没頭することをお勧めします。

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graduate 02

萬玉 直子

株式会社オンデザインパートナーズ

曽我部 昌史研究室
2009年度大学院修了/大阪府立泉陽高等学校出身

横浜に拠点を構える設計事務所で、住宅や商業施設、まちづくりまで幅広く関わる。神奈川大学の新国際学生寮「栗田谷アカデメイア」の設計も。

Q.現在の仕事の内容を教えてください
横浜に拠点を構える設計事務所にて、住宅・集合住宅・商業施設・公共施設・まちづくりなど幅広いプロジェクトに関わっています。近年では、神奈川大学の新国際学生寮「栗田谷アカデメイア」の設計を行いました。これはプロポーザルで選んでいただきましたが、私たちの仕事はまず、必要とされている建物にカタチを与えて、求めているものを目に見えるように具現化することです。そのために図面や模型やCGを駆使して、建物のイメージを多くの人と共有できるように心がけています。また、建物を実現するために、経済性や合理性を考慮してエンジニアやデザイナー、施工者と協力しながら一つの建物を造っていきます。意匠設計は、デザインのみを優先すると思われがちですが、建築のなかの専門分野を横断的につないで、より使う人に寄り添った建築空間にする仕事かなと思っています。
Q.学生時代の経験・学びで今の仕事に生きていることは何ですか?
建築設計はアイデアを出してから実現するまで、数年かかります。思いついたアイデアをそのまま実現するのではなく、実現までの数年の期間に、いろいろな立場の方とともに検証してよりよい建物へと導いていきます。私は大学院に2年間在籍しましたが、研究室では基本的にはプロジェクト単位で動くのでチームワークや他者との対話がとても重要でした。その他者との対話によってより建築の可能性が広がっていく実感は、実務でも生きていると感じています。また、設計の授業では、活躍されている建築家の先生に意見をもらいながら設計するので、非常に緊張感ある授業でした。その授業では、自身が考えている建築をコトバとカタチでプレゼンテーションするのでかなり鍛えられたと思います。
Q.今後の目標を教えてください
あまり大きなビジョンはないのですが、人のための住空間、生活環境をよりよくするために多様なスケールのプロジェクトに関わっていきたいです。
Q.高校生へのメッセージ
建築という分野は本当に広く、神奈川大学はその楽しさを知ることができる場所だと思います!がんばってください。

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graduate 01

岡部 友彦

コトラボ合同会社

山家 京子研究室
2000年度卒業、東京大学大学院博士後期課程2011年度単位取得退学/神奈川県立鎌倉高等学校出身

横浜でのまちづくり事業をはじめ、日本各地の地域活性化を手がけている。この分野を体系化し、持続的な産業としていくことが目標。

Q.現在の仕事の内容を教えてください
横浜でのまちづくり事業を皮切りに、日本各地の地域活性化などのまちづくりの仕事を行なっています。地域の資源を活用し、持続可能な取り組みとするためにビジネスの手法を組み込んで企画運営を行なっています。
横浜では、石川町駅近くの寿地区において、地域の空き部屋を繋ぎ合わせて“yokohama hostel village”と称したひとつの宿を運営し、地域のイメージづくりや環境改善などを行なっています。また、山手近くと旭区において、カフェやレストランを始めたい人たちに気軽にお店をスタートできる環境を提供するシェアカフェ事業も行なっています。横浜以外では、愛媛県松山市の三津浜という港町の活性化事業や、埼玉県熊谷市、深谷市の商店街活性化、福島県の大熊町のまちづくり事業などをお手伝いしています。松山市三津浜地区では、シャッター商店街となったエリアで空き家バンクを運営しています。具体的には、移住や新たに出店したい方達のサポートを行なったり、古建築を活用しながら保存し街並みを残していく取り組みとして、建物内を部屋単位で出店希望の人たちへと貸し出すシェアショップの運営などを行なっています。
Q.学生時代の経験・学びで今の仕事に生きていることは何ですか?
仕事を行なっていく上で意識しているのは、街を俯瞰して見ていく視点。都市や地域を生き物とみたて、その活動や息遣いを観察して街の状況に即したプロジェクトを地域の資源を活用しながら作り出していくことです。そのような、俯瞰して物事を見る視点は今も役に立っています。また、人間よりも長い時間尺度を持っている都市や地域を考えていく視点。例えば、スペインのサグラダファミリアは19世期末から現在まで建築が行われていますが、もはやひとつの建物の時間尺度というよりは、都市や地域に似た尺度を持っていると思います。日本でも伊勢神宮などの式年遷宮も、伝統技法を後世に引き継ぐことを意識し、時間尺度のデザインが施されていると見ることができます。我々、人間の寿命は長くて100年ですが、街や都市を意識する際は、他の尺度を自分の中に持つことも重要であるということなど、今の経験に役立っています。
Q.今後の目標を教えてください
まちづくりの分野は、かつてはボランティアセクターとして位置付けられることが多かったのですが、地域課題や社会課題に取り組む社会企業も増え、ひとつの大きな流れが生まれてきています。その流れの中で、事業として地域を楽しく快適にしていくプロジェクトに関わり続けていくことが私の目標です。また同時に、この分野をアカデミックに体系化していきながら、産業化して、地域に関わりながら生活していく人を増やしていくことができればと考えています。
Q.高校生へのメッセージ
何を学ぶかは大事なことですが、誰とどこで学ぶかも非常に大切な問いだと思います。知識だけで良いのであれば、パソコンで探せば良いのかもしれない。しかし、実践の場や活動している人たちを訪れ、出会い、体験することの積み重ねで得られる学びは、生涯使える学びとなるのではないでしょうか。学生時代には同級生だけでなく、違う分野の人、社会人、クリエイターなど様々な人と出会いました。今でもその人達にいろいろと協力してもらっています。ぜひ学生時代にしかできない活動をチャレンジしてください!

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graduate 02

齋藤 千夏

鎌倉市役所

山家 京子研究室
2008年度大学院修了/神奈川県立横須賀高等学校出身

鎌倉市の都市景観形成の推進や歴史的建築物の保存活用に携わる。学生時代の「建築史フィールドワーク」の授業経験を現在の仕事に役立てている。

Q.現在の仕事の内容を教えてください
地域の特徴を活かした都市景観形成の推進や歴史的建築物の保存活用業務に携わっています。
鎌倉市景観計画で定められた景観形成基準(高さ、色彩、形態意匠などのルール)によって、新たにできる建築物が既存のまち並みと調和したものとなるよう申請図面の確認をしたり、景観への関心が高い地域の皆さんと一緒に地域独自のルール(まち並みの作法)を考え、建築主や設計者の方と建築物の形態意匠について協議をする場をコーディネートしたりしています。
また、建築的・文化的側面から歴史的な特徴を有しており、地域の良好な景観形成に資する建築物を指定し、保存・活用の取り組みを進めています。
「鎌倉」というと鎌倉幕府や古都のイメージがあるかもしれませんが、自然と一体となった中世以降の社寺が醸し出す雰囲気の中に、各時代の建築、土木遺構、鎌倉文士が残した芸術文化、生業や行事など様々な要素がまちの中に点在しており、実は決まったデザインコードがほとんどありません。しかし、そのことが「鎌倉らしい景観」を地域の皆さんと共に考えるきっかけとなっています。地元の自治会・町内会や商店会、建築家の皆さんと対話しながら地域独自のルールを考え、景観まちづくりを進めていけることが、今の仕事の最大の魅力だと感じています。
Q.学生時代の経験・学びで今の仕事に生きていることは何ですか?
■修士論文(研究室の活動)
修士では、地域の皆さんの活動をサポートするための「防災に関する空間表現手法」について研究していました。当初は、大学のお膝元である神奈川区を研究対象としていましたが、偶然、鎌倉市から研究室に防災マップづくりへの協力依頼があり、鎌倉市も研究対象とすることになりました。防災マップは、自治会町内会の皆さんとワークショップを行い、半年かけて作成しました。ワークショップには神奈川大学卒業生の職員の方も参加し、運営や地域との対話の場づくりをサポートしてくれました。鎌倉市の皆さんは自分の地域に愛着をもった方が多く、自ら地域の課題を解決していこうという姿勢に感銘を受けたことを覚えています。このワークショップをきっかけに、鎌倉がとても好きになり、縁の下の力持ちとして地域を支える「地方公務員」という職業に興味をもったことから、鎌倉市役所に就職しました。
■建築史フィールドワーク
日本国内の様々な地域にある歴史的建築物を見学したり、その地域の方と交流したりしました。過去の建築から学ぶことはたくさんあります。建物の素晴らしさ、所有者・地域の方のまちや建物に対する愛着、建物を維持管理する難しさなど、書物や頭の中で考えるだけでは気づけないことを肌で感じ、学ぶことができました。確か、学部3年生の必修科目であったと思いますが、大好きな授業でしたので、単位取得に関係なく学部2年時から修士2年まで毎回参加していたと思います。この時の経験が現在の「歴史的建築物の保存活用業務」にも役立っていると思います。
Q.今後の目標を教えてください
現在は建築の部署にいますが、昨年度までの7年間は政策を考える部署や地域コミュニティ(自治会・町内会や市民活動団体等)の活動を支援する部署にいました。地方公務員の仕事はすべてがつながっていますので、7年間で培った経験や人とのつながりをこれからも大切に育てながら、建築技術職としてのさらなるスキルアップを図っていきたいです。また、学生時代のワークショップの企画・運営の経験から、市民対話(コミュニケーションの場づくり)にも興味があり、昨年はワークショップデザイナーの学校に通いました。鎌倉には多彩な方がたくさんいらっしゃいます。ワークショップを企画・運営できる職員として、市民の皆さんがご自身の興味・関心を活かし、笑顔で楽しくまちづくりに関われる場を創っていきたいです(これは「仕事」というより「志事」かもしれません(笑))。
Q.高校生へのメッセージ
大学で過ごす時間は長い人生の中の通過点に過ぎませんが、大学は自分の興味・関心をとことん掘り下げ、思いっきり表現(活動)できる素敵な場所であると思います。そして、神奈川大学には皆さんの活動をサポートしてくれる環境が整っていますので、将来のありたい自分をイメージしながら、目の前のことに一つ一つ真摯に取り組んでいってください。きっと素敵な未来が待っています。

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